家に帰ってからも、全然眠れませんでした。
いつ、病院から電話がくるのではないか。
「急変しました」
そう言われるんじゃないかと思うと、携帯が気になって仕方ありませんでした。
握りしめた携帯は鳴ることなく
朝を迎えました。
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次の日、ICUの面会時間に父に会いに行きました。
父は呼吸器をつけていて、口には管が入っていました。
首にはカラーをつけて、顔は傷だらけ。
腕には、何本もの点滴。
昨日まで普通に話していた父とは、
別人みたいだった。
血圧が下がらないよう、
鎮静剤は少なめだった。
そのせいで、声をかけると目が開いて
何かを話そうとして、
口を動かしている。
でも、何を言っているのか分からない。
私は必死に口の動きを読もうとしたけど、
全然分かりませんでした。
父は何度も口を動かしていた。
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長男はまだ小学生でICUには入れず。
大丈夫って言っていいのか。
ありのまま話していいのか。
分からなかった。
とりあえず、 「じいじ、頑張ってるよ」 そう伝えた。
父は、
長男のことが大好きだった。
長男も、
じいじが大好きだった。
そのままの関係で、
いてほしかった。
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「昨日より、生命の危機から少し脱出できています」
そう医師に言われました。
母は、
「生きていてよかった」
と、父に何度も言っていました。
もちろん、私もそう思っていました。
でもその反面、
「こんな状態で、生かしてしまってよかったのかな」
そんな気持ちも頭をよぎってしまいました。
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心臓マッサージをした時の、肋骨の感触。
胸を押すたびに、漏れる息の音。
あの感覚が、ずっと手に残っていました。
そして、何度も考えてしまう。
「あの時、もっと首を動かさないようにできていたら」
「運び方が違ったら、手は動いていたのかな」
今考えても答えは出ないのに、
後悔みたいなものが、頭から離れませんでした。
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でも、とりあえず父は生きている。
それだけで十分なはずなのに、
私はもう、その先のことを考えていました。
父はこれから、どうやって生きていくんだろう。
体が動かなくなった現実を、
父自身は受け止められるんだろうか。
それが、
怖かった。

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