文字盤
病院で用意してくれた文字盤は、
A3サイズだったり、
もっと大きかったりした。
父には大きすぎて、
首をよく動かしていた。
それに、
指したい文字まで、
棒が届かない。
父の
「もっと左」
のジェスチャーが、
なんか偉そうで。
それに、
文字盤が大きいと、
こっちも両手で持たなきゃいけない。
地味に疲れる。
文字盤するには、
父にペン咥えさせて、
こっちは文字盤持って。
地味に、
毎回手間だった。
そんなわけで、
文字盤を自分で作ってみた。
大きさは、A4。
父が見える文字の大きさにして、
文字盤を動かさなくてもいいようにした。
ネット「文字盤」と検索すると、いろいろでてくる。
本当、ありがたい。
「痰」とか、
「うん」は、
口パクで、
だいたい分かる。
わざわざペン咥えさせて、
伝えることでもない。
だから削除。
用意したもの
■OHPシート
A4サイズで透明なシート
プリンターで印刷できるやつ
■100均の硬質クリアケース
OHPシートだけだと、ペラペラ。
ラミネートの機械ないので、
透明なケースに入れる。
使い慣れないOHPシートに印刷したけど、
インクが乾かなくて、
半日、
乾くのを待っていた。
触るたび、
文字が伸びる。
絶望。
新しいこと考える脳みそ、
もう残ってなかったから、
原因は分からないけど
結局、
印刷した文字盤の上から、
長男の筆箱から拝借した名前ペンで、
なぞって書いた。
一気に、
アナログ。笑
お金で時間を買ったはずなのに
結局、買えなかった。
でも、めちゃくちゃ使ったから
元は、取れたと思う。
最初は、
透明の方がいいと思ってた。
でも実際は、
父と向かい合うより、
隣で一緒に棒を追うことの方が多かった。
透明じゃなくても、
よかったかもしれない。
そしたら、
文字盤を紙に印刷して、
透明の硬質クリアケースに、
紙を挟むだけでも十分。
……まぁ、
イラついてる時は、
父の前に立って、
文字盤掲げてたけど。
横に並びたくない日もある。
距離を取りたい日だって、多々。
そういう時は、
透明でよかった。
指す棒問題
文字盤より、
地味に悩んだのが、
“指す棒問題”。
最初は、
100円ショップで色々試した。
・黒板を指す棒
長さが調整できるし、
いいかと思った。
でも、そもそも長さなんて調整しない。
こっちで、文字盤をちかづければいいから。
なにより、
重い。
先の色が変わってるから、
文字は指しやすそうだったけど、
ずっと口にくわえるには、
しんどそうだった。
・タブレットのタッチペン
金属の丸い部分を
口で支える感じ。
でも、
安定しない。
ずっと咥えてるの、
結構大変そうだった。
・筆
軽い。
でも、
丸いから歯で噛みにくい。
すぐズレる。
あと、長い。
習字用の筆も買ったわ。
全然だめで、新品のまま
今も鉛筆立てに、ささってる。
捨てよう・・
・歯ブラシ
最終的に落ち着いたのが、まさかのこれ。
歯ブラシのブラシ部分をカッターで
どうにか切って、
先には、
床に落ちてたレゴの丸いパーツを、
瞬間接着剤でつけた。
これが、
かなりよかった。
歯ブラシの持ち手って、
滑り止めがついてるから、
噛みやすい。
軽いし、
丸くないから安定する。
洗いやすい。
めちゃくちゃ手作り。
でも、
父はこれを、
文句も言わず、
毎日ちゃんと咥えてた。


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