介護と子育てに奮闘する管理人です。
頸髄損傷の父との暮らしや、家族の介護のリアルを発信しています。
同じ悩みを持つ方の力になれたらうれしいです。

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重度介護を受け入れるデイサービス。でも父の居場所はありませんでした。

デイサービスって、利用している本人以外は、
なかなか中を見る機会がない。
うちの90代の祖父がデイサービスに通っている。

迎えに行く機会が何度かあって、施設の中を見たことがあった。
だから、なんとなくイメージはあった。

みんなで机を囲んで、お茶を飲む。
レクリエーションをする。
ご飯を食べて、楽しく過ごす場所。

でも、父の場合は違った。

頸髄損傷で、足は動かない。
手も自由には使えない。

車椅子に座っていられる時間も限られている。
長時間座っていたら、褥瘡の心配もある。

そもそも、休むベッドはあるの?

普通のベッドで休んだら、また床ずれができてしまう。

エアマットはあるの?

お風呂だって普通には入れない。

介助量が多い父を、安全に受け入れてくれる場所はあるのだろうか。

不安を抱えながら、重度の介護度も受け入れてくれるという
デイサービス見学へ向かった。

1か所目のデイサービス。

ちょうどイベントの日だったらしく、
職員さんが劇をしていた。
それに合わせて、利用者さんたちが声を出して笑っている。

「わはは」

楽しそうな雰囲気。

でも、その瞬間思った。

「あ……父には無理だ」

父は認知症ではない。
頭はしっかりしている。

ただ、体が動かないだけ。

そんな父が、ここでどう過ごすんだろう。

「休めるベッドはありますか?」

聞いてみた。

案内された場所には、ベッドが置かれていた。

物置のような小さな部屋で、窓もない。

古いベッドが一つ。
電動でもなく、硬いマットレス。

横にはオムツが積み上げられていた。

「休む時はこちらです。」

そう案内された。えっ、こんなところで?

ドアの向こうからは、
利用者さんたちの笑い声が聞こえてくる。
きっと、父にはうるさく感じるだろう。

この部屋だけ時間が止まっているみたいだった。

父は車いすに乗れるのは2時間くらい。
その後は横にならないと体がもたない。

褥瘡もある。
エアマットも必要。

このベッドで、一日過ごすの?

……無理だ。

父の姿を想像した瞬間、
胸がぎゅっと苦しくなった。

「食事は、ここで?机の高さは変えられないですよね。」
「そうですね。これしか机はありません」

こんな低い机で、父は食事を自分で食べられない。
リハビリして、せっかく自分で食事ができるようになったのに。

「ここじゃない。」

そう思った瞬間、胸が苦しくなった。。

「お風呂も見ますか?」

「……いいです」

「大丈夫です」

そう言って帰ってきた。

何をしに来たんだろう。

せっかくケアマネさんが探してくれたのに。
「重度の方も受け入れています。」

パンフレットにはそう書いてあった。

でも、私が求めていた「重度」と、
施設が想定していた「重度」は違った。

動けない若い人は、どこへ行くんだろう。

頸髄損傷の人は、家に帰ったら
家に閉じこもっていろってことなの?

そんな現実があるなんて、知らなかった。

家に帰ってくる。
それを目標にして、
辛いも痛いも、言わず、
なんのために、痛い思いをしてリハビリを頑張っているの?

家に帰るためじゃなかったの?

帰ってきても、
必要なサービスがない。

デイサービスを辞めようか。

訪問入浴を頼んで
そのあと、便処置は私がするの?

できないことはない。

でも、この生活で、母はもつのだろうか。
私は育休復帰できるのか。

……いや。
今は、自分のことを考えている場合じゃない。
父が一番不安なんだから。

父が安心して過ごせる場所は、どこなんだ。

家なのか。

デイサービスなのか。

それとも、まだ私たちが知らない居場所があるんだろうか。

俺様のまま、根性だけで頑張ってきた父。
その頑張りに見合う父の居場所を見つけてあげられない。

そもそも、あるの?

でも、どこに行けばいいのか分からなかった。

車に戻ると、抱っこ紐の中で第二子が泣き始めた。

私も泣いた。

不甲斐なかった。

父は、リハビリを頑張る。

私は、父に合う場所を探す。

それが、あの頃の私たちの役割分担だった。

だから、父には泣いたことなんて言わない。

「もう少し動いてよー。」

そんな軽口をたたく、わがままで強気な娘でいたい。

でも、まだ一か所残っている。

次のデイサービスへ向かうしかなかった。

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