介護と子育てに奮闘する管理人です。
頸髄損傷の父との暮らしや、家族の介護のリアルを発信しています。
同じ悩みを持つ方の力になれたらうれしいです。

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頸髄損傷の父と2年暮らして分かったこと

家に帰ることを選んだ父。

正直、
帰ってこなかったら、楽だった。
ショートステイで不在の日
少しほっとしているもん。

私は優しい娘でいられたし、
父とも適度な距離を保てたと思う。

父が受傷して、ぐっと距離は近くなった。
毎日、顔を合わして話す。
父のプライベートが減って
誰が来たとか、何をしているかとか
気にする時間も増えた。

「じいじにいろいろやってもらったんだから
やってあげなよ」
と長男に母が言う。

保育園の送り迎えも
おでかけも
長男の子育て、本当にやってもらった。
でも、やってもらったから
返すって、強制するのなんかやな感じ。
母の言葉に毎回モヤモヤする。

長男の世話を頼んでいたのは私。
長男のせいでもないし。

私と父の関わりをみて
子ども達が、父とのかかわり方を
決めていったらいい。
手伝うも、手伝わないも自由。
だから、父と楽しく過ごしているのを
見せれたらいいな。
まぁ、理想だけど。

父が家に帰ってきたからこそ、

父と孫が一緒に過ごす毎日がある。

少しずつできることが増えていく父を、
家族みんなで見守れる。
そこで、子ども達それぞれが
好きに感じとればいい。

家に帰ってきて
入院生活に慣れた父
「もっとこうやってくれた」
「いや、プロじゃないし、無理」
そんな言い合いを何度もした。
すぐに対応できない

父の求めるやり方でできない
優しくない
お互いの妥協点をぶつかりまくって
父は、我慢をしてくれることも多くなった。
すまんねー。

大変な毎日だけど、
その積み重ねが、
きっと家族の時間になっている。

父の介護が始まってから、

本当にたくさんの人に出会った。

父のことで、
こんなに人と話す人生になるなんて思わなかった。

退院してすぐ、使うサービスのプランを
何個も作ってきてくれたケアマネさん。
使う施設にも、わざわざ見学に行ってくれた。
父の愚痴にも、嫌な顔せず聞いてくれた。
訪問看護師さんも
リハビリの先生も。
みんなそう。

仕事の枠を超えているって思うくらい
寄り添ってもらって
たくさんの人に支えられて、
「家族だけなら無理だったな。」と
何度も思った。
父のことを想い
父の話をたくさん聞いてくれた。
感謝することも増えた。

大変な時、乗り越えるやり方を
一緒に考えてくれた。
でも、乗り越えるのは父や私たち家族
全部はやってくれない。
そこも、結構大事。

今まで知らなかった制度を知り、
知らなかった仕事を知り、
知らなかった景色を見た。

介護をしていなかったら、
きっと一生知らなかった世界。

……知らなくてもよかった世界だったのかもしれない。

もちろん、
できることなら父は元気でいてほしかった。

「昔のじいじがよかった。」

長男がそう言ったことも、
一度や二度じゃない。

家族みんな、
その気持ちは今も変わらない。

それでも。

父が家に帰ることを選んだから、
出会えた人たちがいる。

私は、

「限界、上等、やってやろうじゃん。」

ケセラセラを口ずさむことが増えた。

でも、父と話したくなくて、
父から逃げたこともたくさんあった。

「もう知らない、勝手にして」

って部屋のドアを閉めた日も
「もう、あっち行け」
って言われた日も
何回もあった。

それでも父は、
変わらずそこにいた。

まぁ、動けないからなんだけど。

私たちの気持ちが落ち着くのを、
いつも待ってくれていた。

昔と変わらず、
孫のことになるとよく笑う。

第二子が保育園から帰ってくると、

「ただーまー!」

玄関から響く大きな声。

「お帰りー!」

父も負けじと声を張り上げる。

でも、その数分後には、来客に気づいて

「こわーい。」
「あんぱんまん、みたーい」

と言ってリビングへ戻ってくる。

第三子をお腹に乗せると、

「重い……。」

顔をしかめながらも、
どこかうれしそう。

父がベルを鳴らすと

「今、無理。」

そう言って長男に押し付ける私。

「えー。」

文句を言いながら、
しぶしぶ父の部屋へ向かう、
思春期に入りかけた長男。
父は、
「悪いな。」
と笑う。

「ティッシュ取ってあげた」

と偉そうな長男。

そんな毎日。

あの頃は想像もしなかった。

今の私は、
「これでよかった」と言い切れる余裕はない。

父にできることは、
まだある。

伸びっぱなしの親指の爪。

本当は一日4回の目薬も、
朝と晩だけ。

……なんなら、
朝だけの日もある。

乾燥した足の保湿も。

ってか、
私の足よりきれいなんですけど。

タブレットが転がらない枕も、
そのうち作ろう。

……そのうちね。

今日も全力で、
見ないふりをしている。

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